アルコール依存症

メンタルヘルス

こんにちは。愛華です。

 

今日は、「アルコール依存症」についてお話いたします。

 

現在、日本生活習慣病予防協会によると、日本でのアルコール依存症の患者は80万人以上、予備軍も含むと約440万人になり、厚生労働省の令和1年(2019)「国民健康・栄養調査」によると、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している人の割合は、男性14.9%、女性9.1%で、男性では40 歳代、女性では50 歳代が最も高く、女性や高齢者は年々患者数が増加している傾向にあるようです。

 

アルコール依存症とは、お酒の飲み方(飲む量、飲むタイミング、飲む状況)を自分でコントロールできなくなった状態で、飲むのはよくないことだとわかっていても、脳に異常が起きて飲むことをやめられなくなります。大量にお酒を飲み続けることによって、進行し、しだいにお酒なしではいられなくなる病気です。初めは単なる習慣のつもりで飲んでいても、お酒を飲まないと気分が晴れず、お酒に頼って、つい手が出るようになり、そのうち少量では、酔えなくなってきます。さらにお酒が切れるとイライラする、不安になる、手が震える、夜眠れない、汗をかく、食べたものを吐くなどの症状(離脱症状)が出てきます。また、一度お酒を飲み始めるとひたすら飲み続け、食事も摂らず、『飲んでは寝る』を繰り返すこともあります。その意味では、アルコールは麻薬や覚せい剤と同様の依存性の薬物の一種だともいえます。

 

私の父もアルコール依存症でした。幼い頃から、父と母がお酒を巡ってよくケンカをしていたことが記憶にあります。

 

父は、大変苦労の多い環境で育ち、両親に厳しく育てられたようでした。私が19歳、父が55歳の時に亡くなりました。父は、海外出張が多かったり、よく飲みに出かけていたので、たくさん関われる機会はあまりありませんでした。朝からお酒を飲むこともあったようで、母が嫌がり、食事を取るのも家族別々で取ることも多かったです。

父は、幼い頃から4兄弟の長男として育ち、苦労の多い中、大学を3つ出て、その後は国や世界に貢献するような仕事をしていました。大勢の人と飲むのも好きで、よく仕事仲間や友人を家に招いて夜遅くまで宴会をしたり、いつも父の書斎には、大量の本や資料と共にウイスキーやビールなどが置かれており、よく酔っ払ってストーブをつけっぱなしにして、母が注意しに行っていました。母も父のお酒には大変苦労したようでした。

しかし、父は私にはとても優しくて、いつも私に笑いかけてくれていました。お酒のおつまみやお菓子をくれたり、私が母に叱られたり、姉とケンカした時なども、父はいつも味方でいてくれました。父と過ごせた時間はそんなに長くなかったですが、父がくれた愛情や優しさは、忘れることはありません。

 

後に、母から聞いたのですが、父は「俺から酒を取ったら何もなくなる」と言っていたようです。

 

アルコール依存症の方の傾向を見ていると、家庭環境の中で、しっかりと親との信頼関係を築けず、幼い頃に親と離ればなれになったり、否定されて育った方が多いように思います。心にぽっかり穴が空いていて、喪失感や孤独感、無気力感でずっといっぱいになっていることが多いのです。

 

私の父も、どこかいつも寂しそうでした。

 

続く…