こんにちは。愛華です。
今日は、前回の続きで「アルコール依存症②」についてお話いたします。
アルコール依存症ご本人やご家族の方は、大変お辛いことと思います。依存症になっていると、本人の意志ではなかなか止められないし、家族が注意してもまったく聞く耳を持たなかったり、お酒が生きがいになっているので、それを奪われるという意識も働くので、頑なにお酒を毎日飲み続ける習慣ができてしまうのです。深刻になってくると、暴力を振るったり、職場でトラブルになったり、まわりの家族や子供の発達にも大きな影響をもたらします。
さらに、お酒をやめようとしても、離脱症状として、体内のアルコール濃度が下がってくると、手の震えや発汗、イライラ感や不整脈、幻覚や幻聴などが見られたりする場合があるので、それらから逃れるために、さらに酒を飲み続ける循環ができてしまいます。
「一度アルコールが血中に入ると脳にエンドルフィンとドーパミンの分泌を促します。正常な状態では、脳にエンドルフィンやドーパミンの分泌作用は、多幸感や安心感を与えるのですが、アルコールに関しては、現在新しいことが解明されており、アルコールの濫用は脳組織がアルコールに溶かされるために有毒だと思われてきました。そのような作用もありますが、現在は新しいことが解明されてきており、アルコールは、脳細胞を構成する水と脂肪の両方を溶かし、細胞に働きかけて、感情を幸福感からうつへ、穏やかな状態から攻撃的な状態にすることがわかっています。
アルコール依存症の傾向は、明らかに体内のセロトニン濃度が低い時に現れます。またアルコールを飲用するとたくさんの細胞の受容体が、オンやオフに切り替わったり、飲まなくなるとセロトニンのレベルがかなり上下します。
また、アルコール中毒症は、葉酸の体内での正常吸収を妨げ、栄養不足の原因にもなります。過剰摂取は、すい臓障害や肝機能不全、糖尿病の原因にもなりえますし、十分なレム睡眠を得ることも難しくなります」( 著書「シータヒーリング 病気と障害」参照)
うつ病もアルコール依存症もセロトニン濃度が低い時になる傾向があると言われています。セロトニンとは「幸せホルモン」とも言われており、脳の大脳皮質という部分に働く神経伝達物質です。とくにストレスに対して効能があり、体内で自然に生成され、精神安定剤とよく似た分子構造をしています。主な作用としては、
・起きている時に身体を活発にさせ、すっきりした意識にさせる。
・ノルアドレナリン(ストレス時に出る興奮物質)やドーパミン(快楽や報酬を司る神経伝達物質)の暴走を抑え、心のバランスを整える。いわゆるキレる状態を抑圧する
・精神の安定や安心感をもたらす
・朝起きて太陽光を浴びると脳と身体を覚醒させ、体内時計を整える。
・ドーパミンによる過度な欲求を抑え、食欲、性欲、ギャンブル依存を抑圧する
上記のような効果がありますが、日光を浴びる時間が減ったりセロトニンが不足すると、
・寝起きが悪くなる
・些細な事で痛みを感じやすくなる
・ストレスや疲労を感じやすくなる
・仕事への意欲低下
・うつ病
・不眠
・不安感、孤独感を感じる
このような症状を引き起こします。
ですので、アルコール依存症の方はセロトニンの分泌を高めることも大切だと思います。
お酒を飲んでるときは、現実を忘れられるし、余計なことを考えなくていいので、自分の心にぽっかり穴があると、それをお酒で満たそうとします。しかし、アルコール依存症になっている場合は、それがお酒でしか満たせません。手軽に手に入るし、いつでも摂取できるからです。しかし、そのぽっかり空いた穴は、喜びとか愛情とか、趣味とか、好きな事を見つけてそれで満たしていくことも大切だと思います。そんなもの簡単に見つかるわけないという方も、以外なところに自分の生きがいや、楽しくてしょうがない趣味が見つかったりするかもしれません。お酒は、趣向品だけど人生の代用品にはなりえません。
お酒は飲んでもいいけど、そこで永遠に人生をストップしちゃだめで、その辛さ苦しさ痛みは、人生において一過性のもので、過ぎ去る事なのです。
アルコール依存症の方は、責任感が強く、プレッシャーに押しつぶされそうだったり、仕事、人間関係、環境の問題などで心と身体が消耗しすぎて、疲れすぎている方が多いのではないでしょうか?
ゆっくり休んで、回復する力が自分にはある事、お酒があってもなくても、自分はこれまで頑張ってきたし、自分は素晴らしいものをすべて持っていることを信頼してほしいと思います。自分の尊厳を取り戻し、自分に誇りを持って、気楽に生きること、責任をおいすぎないで、物事を真剣に捉えすぎないで大丈夫なのです。
そして、アルコール依存症を治すには、断酒して一切断つ方法や、少しずつ減らす方法やお薬を使う方法などありますが、人によって合う方法は違うと思います。もし、アルコールをやめた際も、脳の受容体の変化が起き、変化した状態に適応するのに時間がかかる場合があります。それは、どんな事でも習慣や行動を変えた場合には、心も身体も多少の影響は受けるので、リラックスして、ゆっくり脳も心も身体も癒してあげてほしいと思います。また、ご自身が抱えている悩みや感情を整理したり、カウンセリングを受けたり、グループに入り、同じ悩みを抱える方達と共有することも回復への一歩だと思います。
最後に、父親が亡くなってから数十年ぶりに、父親の夢を見ました。その時の父親は生まれ変わって、また仕事をしているようで、図面を持って誰かと話をしていました。その姿は、自信に満ち輝いて、本当の自分の人生を生きているようでした。
きっと、生まれ変わってまた新しい人生を始めているのだと思います。
人生をやり直すのは、いつでもできます。今は苦しくて先が見えなくても、その状況を変える力があなただけにあるのです。これからの人生にもっともっと幸せが満ち溢れるよう、応援しています。